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ハッピーメリークリスマス

 

 

中山美穂の「遠い街のどこかで」を聴きながら恋人の家に向かっている。「ハッピーメリークリスマス」と歌う切なくも優しい曲。

去年はスペインにいたし、クリスマスシーズンは友人とプラハ・ウィーン・ロンドンを旅行していた。大好きだった人に別れを告げられたのも、スペインに行ってからだった。

振られてからの立ち直りが早かった(ように思えた)のは、当時の彼との思い出を全て日本に置き去りにしてきたからであって、日本に帰ってきたら私の生活にあらゆる所に彼の息がかかっていて、それがどうしようもなく苦しかった。

先日部屋の掃除をした時、彼から貰った帽子を見つけた。某護衛艦の隊員が被るものだった。これは彼と彼の同期が某大学校時代に貰ったものだそう。かなりレアもので、それを私にくれたことが嬉しくて大切にしていた。

その彼の同期とその彼女と4人でよく遊んでいた。二年前のクリスマスはディズニーシーにも行って、本当に本当に幸せだと思った。寂しい時はその彼女とLINEでやり取りをして、足りないものを補い合った。

いつしか、彼女は恋人とうまく行ってるのに私はほったらかしにされてることが辛くて、自然と距離ができてしまった。

ほとんど連絡を取らなくなって、約1年。2人の幸せそうな挙式の様子をFacebookで見た。心から羨ましいと思った。どうして私はこうならなかったのだろう、とただただ悲しくなった。過去に戻って人生をやり直したいと強く思うあまり、再びあの人と幸せに暮らす夢を見て、起きた時に現実を受け入れられなくなった。

そんな時恋人から電話が来た。「声が聞きたくて」って、毎日飽きもせず電話してるのに。馬鹿じゃないの。昔の男を思い出して泣いてる私なんかを好きになって。

今の彼と出会って恋をして、やっとその帽子を供養できる、と思った。ただそれだけだけど、大きく前進できたと自分を褒めたい。