クソリプとお兄ちゃん

Twitterで、所謂✌️クソリプ✌️に至極丁寧に対応している人達を見るたびに思い出すことがある。

それは私が‪小学校5年生の冬頃だった。

その当時、「お友達の名前と住所を教えて」っていう悪質な電話が流行っており、学校では「絶対に答えず親に電話を代わるように」と言い付けられていた。

私はその電話が家に掛かってくること、ましてや個人情報を流出させることの恐ろしさまではわかってはいなかったが、大人達の真剣な顔つきを見て、ただならぬ雰囲気を感じてはいた。

そんなある日、満を持してその電話が私の家に掛かってきた。

「あ、これ、学校でみんなが言ってたやつ…」とすぐにわかったが、親は共働きで、その時家にいたのは、当時中学三年生のお兄ちゃんだけだった。今思えば受験生のはずなのに、私の遠い記憶によるとその時はゲームをしていた。よく高校に受かったな。

先生達は親に代わるようにと言っていたけど、親がいない場合はこの一見頼りなさそうな兄上に変わった方がいいのだろうか?

一瞬戸惑ったが、自分が対応しきれる自信もなかったので、恐る恐るお兄ちゃんに対応をお願いした。

お兄ちゃんは「お?」と言って受話器を取って相手の話を少し伺った後、大きな声で


「はーーー!?!そんなん知らんわボケーーー!誰が言うかバーーーーーカ!!!!アホ〜〜!!!!うんこうんこうんこ〜〜〜〜〜〜!!!!!!ぴぇ〜〜〜〜wwwwwww」


とだけ言い放ってから一方的に電話を切って「はい」と私に返した。

私はあまりの勢いとその稚拙さに茫然と立ち尽くしたが、お兄ちゃんはそんなの知らん顔でまたゲームの世界に戻ってしまった。



後に私が大学生、お兄ちゃんが社会人(なんと、看護師!)になった頃に当時の話をするも、当の本人は全く覚えていなかったが、「真っ当な対応やんけ」と開き直っていた。

思えば、友達の家には断っても断っても同じ電話が何度も掛かってきていたようだが、私の家にはそれ以降一度も掛かってこなかった。今思えば子供にあれほど馬鹿にされて相当ムカついたんだと思う。

確かに、分別のつかない子供に個人情報を訊き出すような大人に対して、真面目に向き合っても仕方ない。

どこから我が家の電話番号を入手したのか、どうしてそんな悪どいことをするのか、お前達は一体どこのどいつなのか。

大人になった今の私には奴らに問い詰めたいことは山ほどあるが、訊いたところではぐらかされるのが関の山。真面目に向き合うのが馬鹿馬鹿しくなってくるはずだ。それならばいっそ、とことん馬鹿にしてやればいい。

これはクソリプに関してもある程度当てはまると思う。

真のクソリプとは文字通りクソであり、私達がわざわざ同じ土俵に降りてあげて、わざわざ闘ってあげるまでもないのだ。

「しょっかしょっか〜〜wwww顔真っ赤だけど大丈夫でちゅか〜〜??wwww嫌だったんでちゅね〜〜wwww僕にはこの話題はちょっと早かったでちゅか〜〜?wwwwお家でママのおっぱい飲んでオムツ変えてネンネしましょうね〜〜wwww」って返事してブロックしてあげればいいのだ。

当時は茫然としたが、生きる上で(?)大切なことを教えてくれたお兄ちゃんに今は感謝している。